深浦町北部を流れる小童子川の河口に12日夕、付近ではほとんど確認されたことのないコクチョウ(黒鳥)が2羽飛来し、住民の話題を呼んだ。
地元住民によると、コクチョウが確認されたのは12日午後6時前。羽が真っ黒の2羽はくちばしが全体に赤く先端が黄色っぽく見え、羽の先は白色。つがいのような雰囲気で仲良く寄り添い、優雅に泳いでいたという。
2羽は住民が数十センチ近くまで近づいても警戒するそぶりをあまり見せず、与えたパンくずを食べていた。
この日、うわさを聞きつけた住民が次々と集まり、カメラに収めた。近くに住む看護師田中奈奈子さんは「冬になるとオオハクチョウはよく見掛けるが、コクチョウは初めて。艶のある黒い羽と、赤いくちばしが印象的だった」と話した。
コクチョウはオーストラリアなどが原産。県内湖沼での確認例はまれ。日本野鳥の会弘前支部の小山信行支部長は「野生のコクチョウが飛来することはめったにない。どこかで飼育されていたのが逃げたのではないか」と話した。